Thursday, August 5, 2021

テクニカル分析

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FXのテクニカル分析とは、過去の値動きのパターンを見て、トレードをする時間帯やポイントを判断するというものです。そのため、FXにおけるテクニカル分析は、最も広く利用されている分析手法の一つとなっています。この記事では、FXの3つの分析手法の中でも最も一般的な手法であるテクニカル分析がどのようにトレード戦略の形成に役立っているのかを解説していきます。

はじめに

かつてファンダメンタルズ分析が取引の意思決定を行うための唯一無二の正しい方法と考えられていた時代がありました。そんな時代があった事はもう誰も知らないかもしれません。一方、テクニカル分析は1970年から1980年の間、一握りのトレーダーだけに使用されており、当時は全く受け入れられていませんでした。今では信じられないかもしれませんが、つい最近までウォール街や主要なファンドや金融機関でさえ、テクニカル分析はある種の神秘的なまやかしのようなものだと考えていました。最近では、ほとんどの敏腕トレーダーは、トレード手法の構築に何らかの形でテクニカル分析を使用しています。ごく少数のグループを除き、純粋にファンダメンタルズ分析のみを信じるアナリストは事実上、絶滅しています。何がこの劇的なシフトを引き起こしたのでしょう。

なぜテクニカル分析が必要なのか

なぜテクニカル分析が必要なのか、答えは非常にシンプルです。それは、トレードで勝率を上げる事ができるからです。トレードでファンダメンタルズ分析だけを利用してトレードを行うことの問題点は、長期的にトレードで勝ち続ける難しさにあります。ファンダメンタルズ分析をご存じない方のために説明すると、ファンダメンタルズ分析は、特定の株式、金融商品の需要と供給の間の相対的なバランスや不均衡に影響を与える可能性のあるすべてを考慮に入れなくてはなりません。

ファンダメンタルズ分析を使用しているアナリストは、様々な要素(金利、バランスシート、その他多数の要因)の数字を元に、将来の価格を予測しています。しかし、この分析の問題点は、世界中にいるトレーダーの売買を価格変動の一部として考慮していないことです。トレーダー達は、独自の戦略を元に、取引を行います。ファンダメンタルズ分析はすべての要因を考慮して論理的かつ合理的な予測を行うという事を前提にしているにもかかわらず、取引量の大部分を占めているトレーダー達を価格変動の要因として考慮していないという事は、もはや根本的に誤っているのかしれません。実際のところ、先物取引の多くのトレーダーは、価格を劇的に一方向に動かす能力を持っていますが、ファンダメンタルズ分析ではそれらを価格に影響を与える基本的な需給要因の一つとして考えていません。

さらに言えば、トレーダーの多くは、ファンダメンタルズ分析とは全く関係の無い感情的な要因によって取引をする事が多いのです。言い換えれば、(結果的に価格を動かす)取引をする人々は、常に合理的な方法で行動しているわけでは無いという事です。

最終的に、ファンダメンタルズ分析を利用するアナリストは、将来の価格についての予測が正しかったと思える場合があるかもしれません。しかし、それまでの価格の動きは非常に不安定で、トレードで勝ち続けることは、不可能ではないにせよ、非常に困難だと言えるでしょう。

テクニカル分析とは

テクニカル分析は、取引所という形で組織化された市場ができるずっと前から存在していました。しかし、市場関係者がテクニカル分析をトレードで勝つ為の実用的なツールとして、使用を始めたのは1970年代後半から1980年代初頭のことでした。

テクニカルアナリストがその重要性を知っていても、市場関係者の大部分がそれに気づくまでに何年もかかったのは、次のような要因があった為です。

特定の日、週、または月に市場に参加するトレーダーの数は限られています。これらのトレーダーの多くは、トレードで勝つために何度も何度も同じことを繰り返します。すなわち、トレーダー個人で行動パターンを開発し、それを組織単位で一貫したルールでお互いに協調し合い、集団で行動パターンを形成しています。これらの行動パターンは定量化可能であり、統計的に一定のパターンで繰り返し行われているのです。

テクニカル分析とは、この集団行動を識別可能なパターンに整理して、高確率で一定の値動きが発生する時に明確な暗示ができる分析方法です。

テクニカル分析は、市場の心の中に入り込む事によって、ある瞬間に市場が形成したパターンに基づいて、次に何が起こる可能性が高いかを予測することができます。将来の値動きを予測するための方法として、テクニカル分析は、純粋にファンダメンタルズ分析を用いたアプローチよりもはるかに優れていることが判明しています。それは、市場が数学的に論理的かつ合理的であるものだけに焦点を当てるのではなく、市場が過去に何をしてきたか、市場が今何をしているかに焦点を当てたものである為と言えます。

一方、ファンダメンタルズ分析は、「あるべき姿」と「今の姿」の間に、「リアリティギャップ」と呼んでいるものを生み出します。このリアリティギャップによって、たとえそれが正しかったとしても、長期的な予測をすることが非常に困難になります。対照的に、テクニカル分析は、この現実のギャップを埋めるだけでなく、トレーダーの再現性を事実上無限に広げます。テクニカル分析は、あらゆる時間枠において、つまりある瞬間、日足、週足、月足、あらゆるタイムスパンにおいて、再現性のあるパターンがどのように発生するかによってトレードポイントを見極める事ができます。

言い換えれば、テクニカル分析を用いる事により、無限のトレード機会を与えてくれるのです。

テクニカル分析の限界

テクニカル分析がうまく機能するならば、なぜ取引コミュニティの多くは、市場のテクニカル分析から自分自身の精神分析、つまり自分自身の取引心理に焦点を移すのでしょうか?

一番考えられる理由は、最初はトレーダー自身が自分に無限の可能性があると信じているにもかかわらず、最終的にはトレードで敗れて自暴自棄に終わってしまうという事です。それが、テクニカル分析の問題点です。一度過去のパターンを検証し、市場を読むことを学ぶと、トレードで勝つには無限の機会があることがわかります。しかし、すでにご存知のように、市場について理解していることと、その知識を生かして一貫して利益を積み上げていく能力との間には、大きなギャップが存在することもあります。

チャートを見て、「うーん、相場は上がっていくように見える(場合によっては下がっていくように見える)」と思ったことが、実際に当たってしまったことが何度あったでしょうか。多くの場合、何もせずにチャートの動きを見ながら、儲けられたかもしれないという後悔に駆られていたのです。市場で何かが起こるだろうと予測すること(そして、儲けられたかもしれないお金のことを考えること)と、実際にポジションを持つことには大きな違いがあります。私たちはこの違いを「心理的なギャップ」と呼んでいますが、これは取引を行う上で最も努力すべき点の一つであり、マスターするために最も困難な点の一つです。

一番大事な問題は、トレードをマスターできるかどうか?

実際にマーケットを見て予想しているだけの時と同じように、簡単でシンプルに実際にトレードをすることは可能なのでしょうか?答えは「イエス」です。このブログを読み続ければ、自分自身の事やFXの性質についての洞察力と理解力を深める事ができます。実際にトレードしてみると、市場をただ見ているときと同じように、簡単シンプルでストレスのないものになる事を実感する事でしょう。

テクニカル分析の基礎

19世紀後半にダウ理論は現代のテクニカル分析の基礎となるものとして定義されました。ダウ理論は数年にわたりチャールズダウが提唱した市場での値動きを評価するための理論です。ダウの多くの定理のうち、以下の3つは特に重要なものです。

  • 平均株価はすべての事象を織り込んでいる:これは「チャート分析が投資において重要である」というテクニカル分析の根拠となる原則です。
  • トレンドには3種類ある:相場は時間軸ごとに個別のトレンドを持っておりそれらのトレンドを無視するべきでは無いという事です。
  • 主要なトレンドは3段階存在する:主要なトレンドは先行期、追随期、利食い期の3つ。この3つのトレンドが存在しており、トレンドを捉えることが重要になるという事です。

チャート分析

ファンダメンタルズ分析とは異なり、テクニカル分析は、需要と供給に影響を与えている可能性のあるものを無視します。その代わりに、価格がどのように(なぜではなく)動くのか、そしてその動きが将来の値動きが何を示唆しているのかに純粋に焦点を当てています。

FXで成功するための4つの主要なスキルのうち、最初に理解する必要があるのは、テクニカル分析を理解することです。

  1. リスクが最も低く、リワードが最も高い取引のエントリーポイントとエグジットポイントを明確にして、底値で買って高値で売ることができるようにする(ショートポジションの場合はその逆)。
  2. トレードが不利になる恐れがある場合には、損切りラインを置いたり、部分的な利食いを行ったりする。
  3. ポジションサイズの調整と部分的なポジションのエントリーまたは利食いを行う。

テクニカル分析は、ファンダメンタルズ分析とは一線を画します。その値動きの背後にある理由が何であるかを、トレーダーの行動履歴であるチャート元に一定の期間にわたって分析します。テクニカル分析を学ぶ最初のステップは、チャートを読んで理解することです。

テクニカル分析は、複雑なものもあれば、シンプルなものもあります。以下の例は、典型的な上昇相場を表しています。

全体的なトレンド:最初のステップは、全体的なトレンドを把握することです。これは、トレンドライン移動平均線、またはピーク/ボトム分析で行うことができます。例えば、価格が上向きに傾斜したトレンドラインまたは特定の移動平均線の上にある限り、トレンドは上昇しています。同様に、安値が前回よりも高値で形成されている限り、上昇トレンドとなります。

サポート:現在の価格の下にある揉み合ったエリアと上昇開始前の安値がサポートになっています。サポートを下回れば、弱気とみなされ、全体的に下降トレンドになります。

レジスタンス:揉み合ったエリアの高値と、過去の高値がレジスタンス(抵抗線)になっています。抵抗線の上にブレイクした場合は、強気とみなされ、全体的な上昇トレンドの傾向となります。

モメンタム:モメンタムは通常、MACDのようなオシレーター系で測定されます。MACDが9日EMA(移動平均線)を超えているか、プラス圏の場合、モメンタムは強気、または少なくとも改善していると考えられます。

買い圧力/売り圧力:MT4やMT5などのFXアプリで出来高の数字が利用できる場合、出来高を利用したインジケーターで買い圧力や売り圧力を計測します。チャイキンが0以上の時は買い圧力が優勢、0以下になると売り圧力が優勢になります。

RSI: トレーダーが、ある一定の時間軸でどの取引ペアが最も強く、どのペアが最も弱いかを確認するのに役立ちます。この線を一定期間に設定すると、通貨ペアが買われすぎか売られすぎかがわかります。

最終的には、上記の分析を踏まえ、以下の点を総合的に判断します。

  • 現在のトレンドの強さ。
  • 現在のトレンドの段階。
  • 新しいポジションのリスクとリワード(報酬)の比率。
  • 新しいロングポジションのエントリーポイント。

テクニカル分析の強み

価格重視

将来の価格を予測することが目的であれば、値動きに注目することは理にかなっています。通常、価格はファンダメンタルの要素より早く動きます。値動きに注目することで、自動的に将来に注目することになります。なぜなら金融市場は先行指標として考えられており、一般的には6~9ヶ月単位で経済をリードしているからです。金融市場に追いつくためには、値動きのみを直視することが理にかなっています。よく金融市場は突発的な反応になりがちであるにもかかわらず、たいてい重要な動きの前にヒントが隠されているのです。腕のあるトレーダーは、エネルギーが蓄積された期間を大きな値動きの証拠として考えています。

需給と供給、そしてプライスアクション

多くの熟練トレーダーは、通貨ペアや株式のプライスアクションを分析する際に、始値、高値、安値、終値を使用しています。そして、それぞれの値から得られる情報を探しています。ここでは多くを説明することはできませんが始値、高値、安値、終値は需要と供給の力を反映しています。

上の注釈付きの例では、高値は需要(買い)の強さを反映しており、低値は、供給(売り手)の可用性を反映しています。終値は、買い手と売り手によって合意された最終的な価格を表しています。こちらはギャップアップでオープンした銘柄を示しています。オープン(開場)前には買い注文が売り注文を上回ったため、さらに売り注文を増やすために値を上げました。最初は需要(買い)が旺盛でしたが、終値は高値を大きく下回り、安値に大きく近づいています。これは、需要(買い手)が日中に強かったにもかかわらず、供給(売り手)が最終的に優勢になり、価格を下に戻すことを余儀なくされたことを物語っています。しかし、この売り圧力の後も、終値は始値の上にとどまりました。長期間にわたる価格の動きを見ることで、需要と供給の戦いを見ることができます。最も基本的な形では、価格の上昇は需要の増加を反映し、価格の下落は供給の増加を反映しています。

サポート/レジスタンス

シンプルなチャート分析は、サポートとレジスタンスのレベルを認識するのに役立ちます。これらのレベルは、通常、価格が長期間にわたって限られた範囲内で動き、需給が行き詰まっていることを物語っているレンジ期間(取引レンジ)と言われます。価格が取引レンジから外れると、需要と供給のどちらかが優位に立ち始めたことを示しています。価格が取引レンジの上限ラインを上回れば、需要が勝っていることになります。価格が低いラインを下回れば、供給が勝っていることになります。

サポートとレジスタンスレベルは、移動平均線、ボリンジャーバンド、フィボナッチリトレースメント、ピボットポイント、強力なローソク足、またはヘッドアンドショルダーダブル&トリプルトップダブル&トリプルボトムなどのチャートパターンなどの指標を使用して把握することができます。

ピクトリアル価格の歴史

たとえファンダメンタルアナリストであっても、チャートは多くの貴重な情報を提供してくれるのを忘れてはいけません。チャートは、ある期間におけるペアの価格の動きを読みやすく記録したものです。チャートは数字の表よりもずっと読みやすいのです。ほとんどのFXチャートでは、下の方にボリュームバーが表示されています。このヒストリカルデータがあれば、以下のようなことがわかります。

  • 重要なイベントの前後の反応。
  • 過去と現在のボラティリティ。
  • 過去のボリュームまたは取引レベル。
  • 市場全体に対する株式の相対的な強さ。

エントリーポイントのアシスト

テクニカル分析は、適切なエントリーポイントをタイミングよく判断するのに役立ちます。一部のアナリストは、取引のタイミングや何を買うかを決定するためにファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を両方使用しています。それはタイミングが損益のパフォーマンスに重要な役割を果たすからです。テクニカル分析は、需要(サポート)と供給(抵抗)レベルだけでなく、ブレイクアウトの判断ができます。抵抗線より上のブレイクアウトを待ったり、サポートレベルの近くで買いを入れたりするだけで、パフォーマンスを向上させることができます。

おわりに

テクニカルアナリストは、市場の80%が心理的要因、20%が論理的要因でできていると考えています。ファンダメンタルアナリストは、市場の20%が心理的要因、80%が論理的要因でできていると考えています。どちらも議論の余地がありそうですが、現在の価格は全てを表しています。結局のところ、それは市場参加者誰もが見る事ができ、誰もがその正当性を疑うことはありません。市場価格は、すべての参加者の様々な知識を反映しており、市場参加者は、そのすべてを考慮し、売買する価格を決定しています。これが需要と供給の力です。テクニカル分析を使って値動きを見極める事で次の質問に答える事ができます。将来の価格はいくらか?どのような値動きをするか?トレンドはどうなるか?

普遍的な原則やルールがあるとはいえ、テクニカル分析は科学というよりも芸術の1つであることを忘れてはなりません。しかも、どう分析するかは柔軟で、各トレーダーが自分のスタイルに合ったものだけを使うべきです。スタイルの開発には時間と努力と忍耐が必要ですが、その結果大きな報酬を得ることができます。

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