水曜日, 8月 17, 2022
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パラボリックSAR使用ガイド

パラボリックSAR(パラボリック・ストップアンドリバース)は、相対力指数(RSI)を発明したトレーダー兼アナリストのJ.ウェルス・ワイルダーによって開発されたトレンド系インジケーターです。パラボリックSARは、通貨ペアや株式などの資産がどの方向に動いているかを示すとともに、エントリーポイントとエグジットポイントを示唆することで、優位性を与えてくれます。ここでは、パラボリックSARとは何か、その計算方法、使用方法を解説します。

パラボリックSARとは

パラボリックSARは、価格の方向性、方向性の変化を判断する為に使用されるテクニカルインジケーターです。パラボリックSARは、上昇トレンドのときは価格の下に、下降トレンドのときは価格の上に、1本の放物線(ドット)で表示されます。

パラボリックSARには3つの主な機能があります。

  • 価格の方向性(トレンド)を示唆
  • 潜在的なエントリーシグナルの提供
  • 潜在的なエグジットシグナルの提供

それぞれについて、以下でさらに詳しく説明します。

パラボリック sar

トレンドには終わりがある

みなさんご存知のように、トレンドはいつか終了します。値動きが反転に近づくにつれて、パラボリックSARは価格との距離を縮めていきます。その距離が近くなればなるほど、価格が反転する可能性が高くなります。

その時点で、SARを可視化したドットが値動きの反対側に形成され始め、反転が始まっていることを示しています。下図は、上昇トレンドが終わりを迎え、その下のドットとクロスする様子を示しています。ロングポジションを手仕舞うには絶好のポイントとなるでしょう。

パラボリック sar

当然、逆のシナリオもあります。市場が下降トレンドにあるとき、SARはプライスアクションの上に描画されますが、トレンドが勢いを失い始めると、指標までの距離が近くなり、最終的にクロスします。これを図示すると以下のようになります。

パラボリック sar

パラボリックSARは、トレンドの反転、つまりエントリーポイントとエグジットポイントを特定するだけでなく、トレーリングストップロスを調整するのにも役立ちます。このインジケーターを利用して、新しいドットが形成されるたびにストップロスを移動させれば、予期せぬ価格の反転が発生しても、ほとんど害なく、利益を得ることができます。

パラボリックSARの計算式

パラボリックSARは、加速因子(AF)とともに、直近の高値、安値(EP)を使用して、インジケーターのドットの位置を決めます。

以下の例を見ると、SARの計算方法の一般的なイメージがつかめると思います。SARの上昇トレンドと下降トレンドの計算式が異なるため、2つに分けて計算するのが簡単です。1つ目の計算では上昇トレンドのSARを、2つ目の計算では過去トレンドのSARを計算します。

パラボリックSARは以下のように計算されます。

  • 上昇トレンド:SAR=前日のSAR+AF(EP-前日のSAR)
  • 下降トレンド:SAR=前日のSAR-AF(前日のSAR-EP)

EP = 上昇トレンドの最高値、下降トレンドの最安値は、新しいEPに到達するたびに更新されます。

AF = デフォルトは0.02で、新しいEPに到達するたびに0.02ずつ増加し、最大0.20まで増加します。

この計算により、上昇トレンドの価格の下、または下降トレンドの価格の上にドット(希望すればラインで接続することができます)が作成されます。ドット/ラインは、現在の価格の方向性を示してくれます。ドットは常に存在し、それがこのインジケーターが「ストップ&リバース」と呼ばれる理由です。価格が上昇中のドットを下回ると、ドットは価格の上に反転します。同様に下落トレンドにて価格が下落中のドットをクロスして上昇すると、ドットは価格の下に反転します。

下図は、パラボリックSARがチャート上でどのように見えるかを示しています。

パラボリック sar

パラボリックSARを使ったトレード方法

パラボリックSARの基本的な使い方は、ドットが価格の下に移動したら買い(上昇トレンドのサイン)、ドットが価格の上に移動したら売り(下降トレンドのサイン)です。

価格が前後に大きく変動し、トレンドが発生している場合には良いかもしれませんが、価格が小さな動きしかしておらずレンジになっている場合には、トレードシグナルが発生しても、負けトレードになる可能性があります。

したがって、その日のプライスアクションを分析して、トレンド(トレンドがある場合)が上か下かを判断する方が良いでしょう。移動均線トレンドラインなどの他の指標も、全体的なトレンドの方向性を判断するために使用することができます。トレンドがある場合は、そのトレンドのトレードシグナルのみを採用します。例えば、トレンドが下降している場合は(分析に基づいて)、ドットが価格の上に反転したときのみショートトレードのシグナルを採用しエントリー、ドットが価格の下に反転したときにエグジットします。

このようにして、このインジケーターはその強みであるトレンドの動きを捉えるために活用されています。つまり全体的にトレンドが確立されていれば、インジケーターを有効に使えるのです。

上の図は、下降トレンドの中でのショートトレードのエントリーと、そのエグジットを示しています。また、価格がレンジで推移した期間もありますが、その期間はパラボリックSARを使ったトレードをすべき理想的な形ではありませんでした。

パラボリックSARを補完するインジケーター

取引では、1つの特定のインジケーターだけに頼るよりも、複数のインジケーターでシグナルを確認した方が良いでしょう。ストキャスティクス移動平均線ADXなどの他のインジケーターを使用すればSARでのシグナルを補完できます。

例えば、価格が長期移動平均線(200日移動平均線のようなもの)を下回っている場合、SARの売りシグナルの説得力が増します。価格が長期移動平均線を下回っている場合は、売り手が方向性をコントロールしていることを示唆しており、SARの売りシグナルは、下降の始まりである可能性があることを示唆しています。

同様に、価格が移動平均線より上にある場合は、買いシグナル(ドットが上から下に移動する)を探しましょう。SARインジケーターはストップロスとしても使えますが、長期トレンドが上向きなので、ショートポジションを取るのは賢明ではありません。

パラボリック sar

パラボリックSARのデメリットとしては、多くのシグナルが発生してしまうということです。上のチャートは複数の取引例を示しています。トレーダーの中には、移動平均線だけを使っていれば、1回のトレードですべての上昇トレンドを捉えることができると主張する人もいます。一方、パラボリックSARは一般的に、細かい値動きを捉えたいトレーダーに使われています。

トレーダーは、より良いパフォーマンスをするために、他のFXインジケーターとSARを組み合わせることがよくあります。パラボリックSARの主な目的は、トレンドの方向性を定義し、その変化を検出することなので、平均方向性動向指数(ADX)のような強さを測定するインジケーターと組み合わせるのが賢明でしょう。

SARと他のトレンドをフォローするインジケーターとの併用は避けた方が良いでしょう。先ほども申し上げた通り、トレンドの強さを測定するツールと併用して、その上でトレンドが十分強いという結論に達した場合は、パラボリックSARを使用すれば、最適なエントリーポイントとエグジットポイントで取引することができます。

下図は、SARとADXの組み合わせです。

下図は、SARとADXの組み合わせです

デフォルトでは、エントリーポイントとしてADXは25未満でなければなりません。これはインジケーターの発明者であるJ.ウェルズ・ワイルダーによって提唱されています。しかし、多くのトレーダーは、多くの買い/売りのシグナルを享受する為に20のレベルを使用しています。

いつエントリーすべきか

市場のトレンドが反転し、ADXラインが20のレベルを超えてトレンドが加速していることを示した後、エントリーする準備ができます。しかし、どこでポジションを入れるべきなのでしょうか。

これには一般的なルールはなく、FXの他のインジケーターと同じように、その人の独自の取引システムと個人的な好みによります。しかし、FXトレーダーは、始まったばかりのトレンドに乗る前に、約2~4個のドットが形成されるのを待つのが一般的です。下のスクリーンショットでは、価格が反転したことを確認するために、3つのドットが出る事をルールとしています。このルールなら100%の成功するわけではありませんが、満足のいく結果が得られることでしょう。

下図は、SARとADXの組み合わせです

上のチャートでわかるように、ADXは安値から反発した直後に、(1)で20水準を超えて加速し始めています。この情報から、現在の相場がパラボリックSARで取引を行うことが比較的安全な状況と判断する事ができます。ここで価格が急激に反転した場合のマイナスの影響を軽減するために、トレーリングストップを使用することを忘れないでください。上昇が始まっても、(2)で調整が発生し、3つの反対のドットが形成されたらエグジットすると言う戦略に従って、取引を終了します。その後、3つの新しい反対のドットがプロットされたら、ADXが20の上を維持し続けているので、再度(3)で新しいロングポジションを持ちます。

逆のシナリオは以下の通りです。市場がレンジで推移しているため、ADXがエントリーレベルの20を下回っていることがわかります。これは、パラボリックSARでは買いシグナルを提供していますが、取引を控えなければならないことを示しています。

下図は、SARとADXの組み合わせです

パラボリックSARは、トレンドが明確な相場で最も効果を発揮します。一方で、レンジ相場では、誤った取引シグナルを発生させてしまう傾向があります。

SARの設定を調整する

パラボリックSARで最適なパフォーマンスを発揮させるためには、ステップ値と最大値の微調整が必要であることは、以前の記事でご紹介しました。

ステップ値を変更すればプライスアクションの変化に対しての敏感さを調整できます。ステップを低い値に設定すると感度が低下し、高い値に設定するとトレンドの変化に対し敏感になります。

しかし、双方にメリット、デメリットがあります。感度の低いステップ値を設定した場合、SARは信頼性の高いシグナルを生成しますが、シグナルの発生は遅れてしまい、トレンドの終わりでポジションを取ることを余儀なくされることがあります。下のチャートでは、ステップ値がインジケーターにどのような影響を与えるかを確認できます。

SARの設定を調整する

一方、ステップ値を最大にすると、値動きに敏感に反応するため、より多くのシグナルを得られますが、多くの誤ったトレンドを示す場合もあり、結果的に損失が発生してしまいます。以下のチャートは、同じ取引時間のものですが、ステップ値を0.08に変更しています。

SARの設定を調整する

両方を比較してみると、双方に長所、短所があることがわかります。そのため、よりバランスのとれた設定にする必要があります。各トレーダーは、その状況に応じてどの値を使用するかを決定する必要があります。デフォルトの設定で試してみてから、手動で徐々に調整を行うことをお勧めします。

最大値

2つ目は、パラボリックSARの最大値を調整することです。最大値はステップ値とは異なり、インジケーターにはほとんど影響を与えません。これは、SAR自体を変化させるのではなく、「ステップ値」の影響を制限するものです。基本的には、0.2~0.8の範囲で設定します。これは、極端なトレンドが発生した場合に「ステップ値」が指数関数的に上昇し、歪むことを防ぐものです。

パラボリックSARのメリットとデメリット

このインジケーターの主な利点は、強いトレンドが発生している間は、トレンドの動きに強く反応してくれる点にあります。トレンドに逆らった動きがあった場合には、反転を示唆するためエグジットポイントが容易にわかります。もちろん価格が反転する場合もありますが、すぐに再びトレンドに戻る場合もあるため、注意が必要です。

このインジケーターのデメリットは、レンジ相場では、優れたトレードシグナルをほとんど得ることができないと言うことです。トレンドが存在しないため、このインジケーターは常に価格が上下します。これは一日中続く可能性があるため、デイトレーダーがパラボリックSARだけをトレードシグナルとして利用している場合は、損失を被ってしまう可能性があります。

トレンドが存在しないときは、取引を避け、トレンドが存在するときに取引をすることをお勧めします。この様に値動きによって使い分ける、または別のインジケーターの助けを借りて、トレンドを判断することが大切です。

MT4とMT5におけるパラボリックSARの設定方法

ここでは、MT4MT5でパラボリックSARを設定する方法を紹介します。まずは、MT4またはMT5でチャートを開きます。

パラボリックSARを追加して、以下の様にMT4インジケーターのパラメーターを設定します:

  • [挿入]をクリックし、[インジケーターとトレンド]の上にマウスを移動します。

パラボリックSARを[クリック]します。

パラボリック sar mt4

パラメーターの設定方法

上記の手順が完了すると、パラボリックSARの設定メニューが表示されます。

パラボリック sar mt4

ほとんどのインジケーターは、共通パラメーターでコントロールすることができます。

パラメーターには2種類あります:

  • インジケーターの計算方法:例えば、パラボリックSARで使用する期間(最初のうちはあまり気にする必要はありません。)

インジケーターのビジュアル:どのように見えるか、線の色や太さなど

パラボリック sar mt4

チャート上でパラメーターを変更する

チャート上でインジケーターの設定を変更する方法:

  • パラボリックSARを右クリックしてください(以下のようなメニューを表示するには、インジケーターを正確に選択する必要があります)。

SARプロパティを選択してください

パラボリック sar mt4

再びパラメーターメニューが表示され、インジケーターを変更することができます。

パラボリック sar mt4

インジケーターの削除方法

パラボリックSARを削除方法:

  • 削除したいインジケーターを右クリックしてください(以下のメニューを表示するには、インジケーターを正確に選択する必要があります)。

インジケーターの削除をクリックしてください

パラボリック sar mt4

チャートからパラボリックSARが削除されます。

パラボリックSARのまとめ

  • パラボリックSARは、トレンドが継続するかどうか、またはトレンドが反転するかどうかを予測するために使用するテクニカル指標です。
  • MT4とMT5のインジケーターは、パラボリックラインという色のついたドットが連続しているものです。
  • 緑のドットは、現在のトレンドが強気であることを指します。
  • 赤のドットは、現在のトレンドが弱気であることを指します。
  • 緑のドットの後に、1つまたは2つの赤のドットが発生している場合は上昇トレンドの反転を示唆している可能性があります。一方で赤のドットの後に1つまたは2つの緑のドットが発生している場合は、下降トレンドの反転を示唆している可能性があります。
Cristian Cochintuhttps://japanesefx.com/about/
Cristian Cochintu is a highly experienced trader, author, and analyst. Cristian’s extensive experience in developing trading strategies using cross markets analysis and his edge in predicting economic surprises is recognized all over the world. His unique insights about FX are translated today into multiple languages. The Japanese version of his blog - japanesefx.com - is devoted to helping FX traders trade intelligently, profitably, and for a long time. Cristian has studied the markets from many angles and has earned first and advanced degrees in economics, finance, and business. Throughout his career, Cristian has published market analysis and educational articles that have helped thousands of traders master the currency markets. Cristian is also one of the authors of investing.com, fxstreet.com, and other financial publications.

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