Thursday, August 5, 2021

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アービトラージ(裁定取引)とは何かとその手法

アービトラージ(裁定取引)は、2つの異なる市場で同一または類似の価値を持つ資産を売買し、市場間の価格差やレート差を利用し、リスクフリーで利ざやを稼ぐ手法です。

アービトラージがどのように機能するのか、アービトラージの種類、そしてその長所と短所を例と共に学び、この戦略が自分の投資スタイルに合っているかどうかを判断しましょう。

アービトラージとは?

アービトラージとは、市場間の資産の価格差を利用して、資産の売買を行い利益を得ることです。言い換えると、異なる市場の類似の金融商品の価格差を利用して利益を得る取引のことです。この取引は、市場の歪みを利用しているので、すべての市場が完全に合理的に推移している場合は取引ができません。

アービトラージの解説

アービトラージは、株式がある市場で購入され、同時に高い価格で別の市場で売却可能であるときに発生します。トレーダーにとってリスクフリーの取引であると考えられています。アービトラージは、価格が長期間にわたって理論価格から大きく乖離することを防ぐ役割も果たしています。ただし、昨今の技術の進歩に伴い、市場での価格設定の誤りで利益を得ることは非常に困難になってきています。多くのトレーダーは、類似の金融商品の変動をチェックするために自動化された取引システムを設定しており、非合理的な価格は、迅速に売買され数秒のうちに調整されていきます。

アービトラージは、金融市場では必要不可欠なものと言えます。この概念とアービトラージの様々なタイプについて詳細を理解するには、以下をお読みください。

簡単なアービトラージの例

簡単なアービトラージの例として、次のように考えてみましょう。X社の株式は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で20ドルで取引されていますが、同時にロンドン証券取引所(LSE)では20.05ドルで取引されています。トレーダーは、ニューヨーク証券取引所で株を購入し、すぐにLSEで同じ株を売却することで、1株あたり5セントの利益を得ることができます。トレーダーは、X社の株式を購入し尽くす、またはNYSEやLSEの専門家が価格を調整して売買機会を無くすまで、この裁定取引を利用し続けることができます。

複雑なアービトラージの例

一番複雑なアービトラージ戦略とは言えませんが、三角アービトラージは、上記の例よりも少し複雑です。三角アービトラージでは、ある銀行で1つの通貨を別の通貨に交換し、2つ目の銀行で2つ目の通貨を別の通貨に交換し、最後に3つ目の銀行で3つ目の通貨を元の通貨に交換します。同じ銀行を使用してしまうと、通貨レートに歪みが生まれにくいため、この戦略には異なる金融機関を利用する必要があります。

例えば、200万ドルから始めるとします。3つの異なる金融機関では、以下の通貨の為替レートで売買できるとします。

  • 機関1:ユーロ/米ドル=894
  • 機関2:ユーロ/英ポンド=276
  • 機関3:米ドル/英ポンド=432

まず、200万ドルを0.894レートでユーロに換算すると、1,788,000ユーロになります。次に、1,788,000ユーロを1.276レートでポンドに換算し、1,401,254ポンドにします。次に、ポンドを、1.432のレートで米ドルに戻すと、2,006,596ドルとなります。リスクフリーで取引をした利益の合計は6,596ドルとなります。

アービトラージはなぜ合法なのか?

アービトラージとは、取引コストや情報コストを考慮した上で、類似または同一の資産を異なる市場で、価格差を利用してノーリスクで利益を得ることをいいます。この取引は、日本では合法的に行われているだけでなく、市場の歪みを無くし効率化に貢献することから奨励されています。そのためトレーダーは、異なる市場に流動性をもたらす仲介者としての役割も果たしており、大事な役割を果たしていると言えます。

アービトラージと市場の効率性

価格の歪みから利益を得ようとすることで、アービトラージを行うトレーダーは市場の効率化に貢献しています。アービトラージの典型的な例は、2つの異なる市場で異なる価格で資産を取引することです。

トレーダーは、低価格で資産を販売する市場で購入し、高価格で購入してくれる市場でそれを売り戻すことで、この価格差から利益を得ることができます。そして同じ様に価格差を利用して取引する他のトレーダーが出てくることで、市場間で資産の価格が均衡し、アービトラージの機会は消滅していきます。国際金融の観点から言えば、この価格の収束は、異なる通貨間の購買力平価(ある時点における同一の商品・サービスは、ひとつの価格になる)をもたらすことになります。

例えば、同じ種類の資産が日本よりもアメリカの方が安い場合、日本人は国境を越えて資産を購入し、アメリカ人は資産を購入して日本に持ち込んで日本市場で転売することになります。

この取引を円滑に行うためには、日本人はアメリカで資産を購入するために米ドル(USD)を購入し、日本円(JPY)を売却しなければならず、アメリカ人は日本で資産を売却して得たJPYを売却してアメリカで使う米ドルを購入しなければなりません。これらの行動は、アメリカのドル高・円安につながります。そして時間が経つにつれ、最後には価格が収束しアメリカでこの資産を購入するメリットは消滅していくのです。

要約

  • アービトラージは、株式、通貨、仮想通貨や商品が、異なる市場で、ほぼ同時に売買されている取引の一種です。
  • アービトラージの目的は、複数の取引所で同じ金融商品の価格差を利用して、利益を得ることです。
  • アービトラージは日本では合法であるだけでなく、市場の効率化を促進し、取引に流動性をもたらすことから、市場にとっても有用とされています。
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