Monday, October 25, 2021
Forex Trading MasterClass

FX両建てとは何か、どのようにして解除するのか

両建ては、先物取引から始まりました。その後、デリバティブの発達に伴い、FXなど他の商品の取引にも適用されるようになりました。一般的には、市場が自分のポジションとは逆の方向に進んだときに売買することを指します。例えば、以前にロングを持っていた場合、同じ商品のショートをする、あるいは、ショートを持っていた場合、同じ商品のロングをするといった具合です。

FX両建てとは

両建てとは、トレーダーが負けトレードを確定せずに、同じサイズのポジションを反対方向に持つことです。

両建ては、FXにおけるヘッジの一種です。FXのポジションを「両建て」するには、1つの商品で反対方向に2つの取引をする必要があります。

両建て戦略は、一種の取引戦略としても、不利なポジションを利益に変える方法としても使われます。ただし、この2つ目の方法は、FX初心者に混乱を招く可能性があります。

例えば、以下の通り、1.16243の価格で買いポジションを持ったとします。価格は下落し、ポジションに逆行しています。買いポジションを損切することなく、引き続き1.16224で売りポジションを持ちます。

FX両建てとは

負けているポジションを損切せず、現在の損失を固定するのです。

  • 価格が上がれば、買いのポジションの損失が軽減されますが、売りのポジションは損失を被ります。
  • 価格が下がれば、買いポジションの損失が増えますが、売りポジションで利益を得ることができます。

実際、この両建ては、ストップロスを先送りしただけのものです。両建てを使うことで、トレーダーは「損失」ではなく、「不確実な状況」を受け入れることになります。

両建ては上級者のトレード戦略であると考えている方も多いかと思います。しかし、両建てするということは、将来、価格の次の動きが「明確」になる「ある」状況をトレーダーが待つことです。トレードで利益を上げるための原理を理解していれば、そんなに難しいものではありません。

ロジックは「トレンドの方向性がはっきりしない間は、負けているポジションを限定しておき、トレンドが明確になったら、両建てを解除して利益を得る」というものです。さて、ここでは、当初はトレンドがどうなるかが不明だったが、後に明確になった場合の例を挙げてみましょう。

FX両建てとは

このアプローチは、予測に基づくものです。つまり次に何が起こるかが明確になるまで待つのです。現在の状況(トレンドは上昇しているので、このまま続くかもしれない)ではなく、自分自身の予測(トレンドは上昇している/価格は水準から反発している)を考慮します。実際、トレーダーは今後の価格の方向性を推測することができます。しかし、どのくらいの距離で動くのか、損失をカバーするのに十分な値幅なのかは、誰にもわかりません。このようなアプローチ(出口がはっきりしない場合)で、安定し、勝ち続けることは簡単ではないのです。

FX両建てはどうやって行うのか

方法はとても簡単です。自分の気持ちをコントロールすることが大切です。

両建てを使う理由は、以下の通り常に心理的な要因にあります。

  • 自分の予測が間違っていることを認めたくない。(後で価格が上がるかもしれない)
  • 騙しの多い相場を出し抜きたい。(ストップロスを巻き込んだ後、予想した方向に進むことがある)
  • 不合理な欲。(損失を被っている買いポジションに売りで両建てし、少なくとも1つの取引を利益で終わらせたい)

これらの理由はすべて、トレーダーが「市場を正しく予測するための十分な知識を持っていない」という点に集約されます。この気持ちが「市場を予測することは不可能である」という気持ちに変わるまでは、一つ一つの損失がトレーダーの愚かさの証拠といえます。それを治すには、膨大な量の練習をするしかありません。

このような心理的理由がトレードに影響を与えないようにするにはどうすればいいのでしょうか?トレードで間違ったことを認めないことがなぜ有害なのかは、いくらでも事例をあげることができます。また、なぜ相場の動きを予測することができないのか、市場を出し抜こうとすることに意味がないのか、も然りです。しかし、これらすべてを理解できたとしても、トレーダーはこれらの非合理的なことをやろうとしてしまいます。それは確信がないからであり、FXトレーダーになるため自然なことなのです。

非合理的なことをやめ、結果的に両建てを使い、さらに「どうやって両建てから抜け出すのか」を理解するためには、トレーダーは何度も試して、自分で確認する必要があります。繰り返しになりますが、人は自分だけを信じ、他の人は間違った結論を出してしまいがちです。誰が正しくて誰が間違っているかを事前に知ることができれば良いのですがそんなことはできません。自分でやってみなければわからないのです。

両建てする際に最も多いケース

では、トレーダーがどのような状況でポジションを両建てしたいと思うのかを見ていきましょう。自分自身を知り、「この種の人間は自分だけではない」という心理的な安心感を得ることが重要です。

両建て1の例:”早めにエントリーしてしまう

水平方向のサポートラインとレジスタンスラインに従ってトレードしていると想像してみてください。チャート上にエントリーポイントを発見し、ストップロスとテイクプロフィット(ターゲット)を明確に設定しました。

両建て1の例:"早めにエントリーしてしまう"

しかし、M1を確認し、「何となくそのレベルに行っており、早めに反発する」と思考したとします。

両建て1の例:"早めにエントリーしてしまう"

そして、頭の中で “買わないと置いて行かれる “と悪魔のささやきが始まります。そして、ついには買ってしまい、案の定、もともと入りたいと思っていたレベルまで下がってしまうのです。

両建て1の例:"早めにエントリーしてしまう"

結果:価格は予想していた位置まで下がってしまい、すでに損失を出してしまいました。ここで、買いの損失を売りで限定したいという欲が出てきます。理屈は次の通りです。もし価格がサポートラインの下限であるストップロスまで行ったら、売りポジションの利益を確定し、最終的な損失が少なくなるようにしたい。もし、反発して予想する方向に進んだら、売りポジションを早めに決済し、ブレークイーブンを目指したい。

両建て1の例:"早めにエントリーしてしまう"

これらは素晴らしいトレードだと思います。しかし、問題は、このようなアプローチでは安定した収入は得られません。

このような両建てトレードは、価格がトレンドライン付近に到達したときや、ローソク足の値固め中にインジケーターが早めのシグナルを発生させたときに行われます。これらは、「エントリーが早すぎた」という場合がほとんどです。

両建て2いつまで我慢したらいいのかわからない”

これには、2つのシナリオがあります。

トレーダーがストップロスを使わない場合です。ショートで取引を開始しましたが、価格はどんどん上がっていきます。そして、さらに不利な方向に動いていき、反転を待って待って待ち続けますが、最後にはしびれを切らし、「これ以上、損失を増やすことはできない」というように、ポジションを両建てします。これはナンセンスだと思われるかもしれませんが、実際、このようなことも多くあります。この場合、トレーダーは通常、両建てからどうやって抜け出すかという今後の計画を立てることができていません。ただ両建てをし、あとはどうするかを予想できていないのです。

ストップロスを設定せずに取引することは、利益を得るために市場と一種の「戦い」をしているようなものです。例えば、ロングをした後、市場が下がり続けているとします。そして、降参して仕方なく売りの取引に入ります。これは、脳が現在のトレンドに基づいて将来を予測しようとしているため、何の理由もなくトレードをしてしまうのです。何度もこのような負けトレードをしてしまっている人もいることでしょう。

両建て2の例:”いつまで我慢したらいいのかわからない”

これらのケースでは、少ない損失で両建てから抜け出せる可能性は極めて低いと考えられます。トレーダーは「より明確な状況」を期待しますが、それは今日何人の人に会う可能性があるかのような不明確なことを予測するようなものです。

トレーダーの中には、「まだ両建てをうまく解除方法があるのでは?」と思う人もいるでしょう。その答えは、イエスでもありノーでもあります。一緒に考えてみましょう。

両建てを解除する方法

最初から大事なことを言っておきましょう。損失を出さずに両建てを解除する方法は、基本的にはありません。このような言い方をすると、自分ができないからといって、みんなに不可能だということを説得しようとするトレーダーのように見えるかもしれません。ここでは、なぜ不可能なのかを説明します。それでも、信じられないのであれば、両建てポジションが可能なMT4またはMT5(通常は海外FX)で自分で実行してみて、その結果を下のコメント欄に書いてみてください。

なぜ不可能なのでしょうか。なぜなら、もしそれが可能であれば、価格がどこに向かっているのかが、100%わかっているようなものです。

もう少し詳しく説明します。損失を出さずに両建てを解除するには、基本的に、ポジションの1つを決済した後に、もう1つのポジションが残りの損失をカバーする必要があります。つまり、残ったポジションが適切なpips進む必要があるのです。

両建てを解除する方法

どんな場合でも、どんな両建てでも同じです。100%の保証がない場合、価格は予測する方向にも反対方向にも動く可能性があります。そのため、損失を正しくカバーできないこともあります。運が良ければ、思った通りに動きますし、運が悪ければ、反対方向に動くこともあります。未来がわからない以上、思った通りの値動きになるという保証はありません。

両建てを解除する方法

念のためですが、ここでは損失を出さずに両建てを解除することが不可能だと言っているのではありません。確率的な問題であり、成功するかもしれないし、失敗するかもしれないということを言っているのです。

では、どうすれば両建てを解除できる確率が上がるのか、考えてみましょう。

必要な手順は以下の通りです。

1) タイムフレーム(時間足)とは何かを理解する。

2) FXの手法を使う。テクニカル指標を応用している場合もあれば、そうでない場合もあります。

3) 需要と供給の相互作用のプロセスを理解する。特に、値動きを見てみましょう。あるトレーダーがシステムを使わずにトレードし、ポジションがマイナスになり、そのポジションを両建てしてしまい、どうしようかと悩んでいる状態です。

まず、どれくらいの損失(pips)をカバーすべきかを調べる必要があります。次に、「タイムフレーム」とは何かを知る必要があります。ZigZagのようなインジケーターを使うとわかりやすいでしょう。インジケーターの標準的なパラメーターがあれば十分です。

まずは、どの時間足でエントリーポイントを探すのかを理解する必要があります。そのエントリーポイントは、利益を生んだり、両建てによって生じた損失をカバーしたりするのに重要なことでしょう。

そこで、チャートにZigZagを搭載して、平均的なモメンタムの長さを確認します。これがMT4のインジケーターをM5の時間足で見たときの様子です。

両建てを解除する方法

時間足内の平均的なモメンタムの長さが約30pipsであることがわかります(例にはEUR/USDペアがありますが、一般的には両建てにある通貨を見るべきでしょう)。ここでは100pipsをカバーする必要があります。そこで、より長い時間足に切り替えて見てみましょう。最終的に、平均的にH1時間足で100pipsの値動きが発生することがわかります。

両建てを解除する方法

この時間足では、選択した戦略に従ってエントリーポイントを探すことになります。ここでインジケーターの戦略を説明します。

ここでは、以下のパラメーターを持つ移動平均クロスオーバー戦略を説明します。

  • 単純移動平均(SМA)で期間は5
  • 指数移動平均(EМA)で期間は20
  • 指数移動平均(EМA)で周期は30

買いポジションは、2つの条件が同時に満たされたときに注文します。

  1. 緑の線が青の線の上にある
  2. 赤い線が緑の線の上にある

反対に2つの条件が同時に満たされたとき、売りポジションを注文します。

  1. 緑の線が青の線の下にある
  2. 赤い線が緑の線の下にある
両建てを解除する方法

これらのエントリーシグナルを待ちます。また、損失を被っているポジションと反対方向のシグナルを待ちます。

例えば、両建て中に、売りのポジションが利益をもたらしている場合は、買いのシグナルを待ちます。

需要が供給とどのように相関しているか、チャートでどのように見えるかを理解する必要もあるでしょう。

両建てを解除する方法

このチャートでは、何が起こっているのかというと、ある価格で突然、買い手がたくさん現れ、価格が急激に上昇しているのです。売り手にとってその価格が魅力的であれば、すぐに売り始めて利益を得ようとするはずです。

しかし、価格が非常にゆっくりと下がっていることがわかります。つまり、売り手が消極的で急いでいないか、買い手の意欲が弱まっていない、もしくは価格がまだ安いと判断しているのです。この2つの状況を踏まえると、現在の市場では、価格はまだ高いわけではなく、これから上昇する可能性が高いと判断することができます。これが、エントリーシグナルを示唆するチャートのあるべき姿です。

以下は、買い手と売り手の間の攻防を表したチャートです。

両建てを解除する方法

今回の例では、「安値」では需要がかなり高く、「高値」では売り手からかなりの圧力があることがわかります。これは確率の変化を意味するものではないので、この価格帯のチャートでエントリーシグナルを受け取ったとしても、両建てをすべきではなく、もう少し様子を見てみるべきでしょう。

繰り返しますが、両建てを解除する前に次のことを思い出してください。上記は、有利な条件のときの方法です。「需要があって供給がなければ、価格は必ずこの方向に行くだろう」と期待してはいけません。確かに、確率は高くなりますが、確実なわけではないのです。

メリットは、うまく成功すれば、損失を出さずに、あるいは利益を出して両建てを抜けることができることにあります。しかし、結果がマイナスであれば、ストップロスが発生します。ネガティブな結果になった場合、損失は以前の両建てで得られたものよりもさらに大きくなるため、恐怖を覚えることでしょう。しかし、これは次のようなものです。80ドル当たる可能性が50%の宝くじに20ドルを払うようなものだと。確かに、20ドルをすべて失うかもしれませんが、60ドルを得られるかもしれないのです。両建ての場合は、利益のために、損失が少し増えることを受け入れることが必須なのです。

次に、確率についての基本的なことを説明します。ここでは、本質を多少なりとも明確に説明するために、大まかな計算を行っています。

エントリーポイントでの上下の値動きの幅が50%だと想像してください。ストップロスとターゲットが同じであれば、それぞれがうまくいく可能性は50%ということになります。つまり、従来であれば4回のトレードのうち2回は利益を、2回は損失を出して終了することになります。そして、最終的な結果は0となります。

両建てを解除する方法

したがって、この等しい確率(価格が同じ距離だけ上昇したり下降したりする可能性)で、ストップロスをそのままにし、ターゲットを伸ばすと、ターゲットに到達する可能性が減り、ストップロスにかかる可能性を増えることになります。

両建てを解除する方法

例えば、ターゲットがストップロスの3倍の距離にある場合、4回のトレードのうち3回は負け(それぞれ小さな損失)、1回は利益(大きな利益)となり、過去の3回の損失をカバーすることになります(損失の数学を理解するには、FXマスタークラスに参加してください)。

同じように、ターゲットをそのままにし、ストップロスを伸ばすと、ターゲットに到達する可能性が高まり、ストップロスにかかる可能性が低くなります。

両建てを解除する方法

この場合、1回の大きな負けトレードを、3回の小さな利益トレードでカバーすることになります。

これを考慮して、トレーダーは、どちらの方法で両建てを解除するのがより適切かを考える必要があります。

一度に利益を大きく獲得する方法が良い場合は、ターゲットがストップロスよりも大きいポイントを探します。

もし、「ゆっくりと、しかし着実に」トレードを行う方が良い場合は、成功の可能性が高いので、ターゲットがストップロスより近いポイントを探します。

うまくいかない状況があるかもしれませんが、どのような場合でもパニックになってはいけません。

ある戦略を見つけたとき、それ以降の行動のアルゴリズムはこんな感じになります。

  1. システムから送られてくるエントリーシグナルが、価格の動き(モメンタム)に合っているかを確認する。
  2. 深呼吸をする。
  3. 現在利益が出ているポジションを閉じ、負けているポジションはそのままにしておく。
  4. ルールに従って、現在負けているポジションにストップロスを入れる。
  5. ひたすら待つ。

できる限りのことをして、ポジティブな結果になる可能性を最大限に高めます。アルゴリズムに従ってすべてを行ったのであれば、自分自身に誇りを持ってください。このような際に、システムに従って適切な条件と行動をすることで、プロへの階段を1つ登ったといえるのです。

両建てを解除することは、ラッキーチャンスを掴むことであることを考慮に入れるべきです。両建ての解除は一般的な取引方法です。ただ、利益を上げることではなく、現在の損失をカバーすることがメインです。両建てを解除する前に、このチャンスにはリスクがあることを理解する必要があります。損失を減らすために、リスクを払うのです。

そうでなければ、価格が100%確実に必要な方向に行くという魔法のシグナルを永遠に探し続けることになるでしょう。

このチャンスのためにお金を払う必要があることを、心の中で受け入れていれば、今後はもっと楽になるでしょう。

まとめ

どんな場合でも何かリスクを冒すときに大切なことは、「確率を高めるためにあらゆる努力をすることです」。ここまで書いてきたことをまとめてみましょう。

  •  両建ての解除方法を学びました。できるだけ少ない取引回数で損失をカバーしましょう。常識的に考えて、数回よりも一回で済ませた方が良いでしょう。
  •  戦略を学びました。明確なエントリーポイントを見つけることは、精神的なプレッシャーを軽減してくれます。取引の開始と終了の条件を明確にすることで、損失をカバーするまで十分待つことができます。
  •  値動きの種類を理解しました。エントリーシグナルとターゲットのタイプを理解することで、ターゲットに到達する可能性が高まります。そうすれば、両建てをうまく解除できる可能性が高くなります。

両建て自体は複雑なアプローチ手法であることに注意してください。例えば、ポイント1だけを守ると、完全に両建てを解除するまで待てずに、常に感情的なエントリーとエグジットを繰り返すことになるリスクがあります。ポイント2だけを守ると、利益を確定できる可能性が低下します。ポイント3だけを守ると、損失を補填するための距離の設定に確信が持てなくなるでしょう。

これらのアプローチを組み合わせることで、この難しいトレードの成功確率を高めることができるのです。

Cristian Cochintuhttps://japanesefx.com/about/
Cristian Cochintu is a highly experienced trader, author, and analyst. Cristian’s extensive experience in developing trading strategies using cross markets analysis and his edge in predicting economic surprises is recognized all over the world. His unique insights about FX are translated today into multiple languages. The Japanese version of his blog - japanesefx.com - is devoted to helping FX traders trade intelligently, profitably, and for a long time. Cristian has studied the markets from many angles and has earned first and advanced degrees in economics, finance, and business. Throughout his career, Cristian has published market analysis and educational articles that have helped thousands of traders master the currency markets. Cristian is also one of the authors of investing.com, fxstreet.com, and other financial publications.

Related Articles

- Advertisement -spot_img

Latest Articles